切妻がお施主様の要望であった。基本的には平屋で生活が完結し子供室と和室のみが2Fにあることがこの切妻を変形的な形にさせた。
切妻の方向は当初西に見える山並みに向けることを考えたが、冬の風が雪を運ぶため、西面は平らな面とする必要があった。そこで東西面を平面としてフラットなガルバリウムの外壁を設置、南北面は切妻の形状そのままを庇とした凹面を作り、大きな開口と木壁のアクセントを設けた。
2Fのスペースは1Fに比べて必要面積が小さく、まともに2Fまで壁を立ち上げると無駄が多い。そこで、必要な面積を取った残りは1Fの壁高さまで天井を下げ、ソファのスペースに高すぎない吹抜けを設けた。この吹抜けは妻面の大きな開口に面しており、のびのびとした気持ちの良い空間となることを意図した。
大きな開口からはお客様の美しい農地や遠くの山並みが視界に飛び込んでくる。生活のふとした瞬間に意識が外に向かい、美しい風景とともに生活ができるよう意図している。