Journal / 設計の風景
図面を紙に戻す理由.

CADで図面を描くことが当たり前になった世代ですが,図面は一度,紙に出力して見直すようにしています.
この写真では,小屋伏図の検討をしています. 梁にマーカーを入れながら,意匠と構造を両立させるための原則を整理し,余白には軸組図のスケッチを描いて,全体の考え方をもう一度組み立て直しています.
さらに,その考え方が本当に成立しているのかを確認するために,矩計図を横に置き,懐の中に梁がきちんと納まっているかを確認する.
平面図,矩計図,構造図. それぞれ別々に描かれている図面を行き来しながら考えるとき,紙はとても自由です. 気になったところに線を引き,色を付け,余白に別の図を描く. 画面の中だけでは見えていなかった関係に気づくことがあります.
紙に戻すのは,単に間違いを探すためというより,図面を使って,もう一度建築を考えるためなのだと思います.
スタッフと考え方を共有するうえでも,現場に設計意図を伝えるうえでも,「なぜこうしているのか」を自分たち自身がはっきり理解していることはとても重要です.
こういう検討をしていると,構造や納まりを整理していたはずなのに,ふと意匠的にも面白い解決が生まれることがあります.
そういう瞬間は,次のお客様との打合せで説明するのが少し楽しみになります.
もしかすると, 「ふふ,より良いものになったぞ」 と満足しているのはこちらだけかもしれませんが.
Instagramの投稿をもとに,HP掲載にあたり一部加筆・編集しています.
文:斉藤公平
