Journal / 設計の風景
大空に構える.

大空の下にしっかりと自立すること. それでいて,風景の中で異様な存在とならないこと.
その両方を満たしてはじめて,この場所に建つことを許されるのだと思いました.
いくつかの案を考えた末に,大きく,それでいて軽やかな切妻屋根の輪郭そのものを,建築にするスケッチが生まれました.
工房も,住まいも,カーポートも,おおらかに覆う. 大きく低い屋根が,この建築を風景の中のひとつの確かな存在として成立させています.
初期のスケッチには,細かな寸法や納まり,屋根の具体的な勾配はまだありません. 平面も外観も,完成形とは異なる部分が多くあります.
それでも,大きな屋根の下に生活と外部の場所をまとめ,空の広がりに対して建築の構えをつくるという骨格は,この時点ですでに描かれていました.
設計を進める中で多くのことが変わっても,最初に見つけた建築の姿勢だけは,最後まで残ることがあります.
このスケッチから始まった大屋根は,大きな空の下に,しっかりと,そして少し軽やかに立つ建築になりました.

Instagramの投稿をもとに,HP掲載にあたり一部加筆・編集しています.
文:斉藤公平
