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人の居る時間を整える.

人の居る時間を整える.|撮影:斉藤公平
撮影:斉藤公平

大枠の内装素材が決まってきたところで,もう一度,全体の調子を整える必要があります.

床,壁,天井,外壁,塗り壁,タイル. それぞれに理由があって選んだ素材であっても,空間の中では一度に目に入ってきます. ひとつひとつが良くても,全体としてちぐはぐになってしまってはいけません.

素材や色の調子を整えることは,単に見た目をきれいにまとめることではなく,そこに居る人の時間を整えることにつながるのだと思います.

素材同士の主張がぶつかり合い,ノイズの多い空間になると,そこで過ごす時間も落ち着きにくくなります. もちろん,あえてノイズの多い空間をつくることもできます. ただ,今回の自邸は林越しに眺めのある立地です. その風景とともに流れる時間を,穏やかに受け止められる内装でありたいと考えています.

特に今回は色を使っているため,慎重に確認する必要がありました.

こういう時には,実際に使う予定のサンプルを並べて,一気に見渡してみるようにしています. 色だけでなく,艶,凹凸,硬さ,重さ,手触り. 3Dパースでは拾いきれない質感の違いを,実物のサンプルはかなり正直に教えてくれます.

さて,自邸はどうでしょう.

禁欲的で,張り詰めたような空間ではなさそうです. けれど,ばらばらに好きなものを集めた空間にもなっていない. 少し肩の力が抜けていて,それでいて全体としてはまとまりのある,よい塩梅に近づいているのではないかと思っています.

選んだ素材を一緒に並べて確かめる.その時間を大切にしながら,内装を整えています.

Instagramの投稿をもとに,HP掲載にあたり一部加筆・編集しています.

文:斉藤公平

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