形状と平面をまとめる「構成」

建築は平面からつくられるのか,それとも形状からつくられるのか.
自邸では,建築として成立する外形や骨格を考えながら,その中で暮らしの変化を受け止めることを大切にしています.
平面で整理した機能の関係と,風景の中に立つ形状のあり方は,必ずしもそのまま重なるわけではありません.それぞれを検討しながら,一つの建築として結びつける必要があります.
そういうとき,私は一度「構成」という層を挿入します. 平面でもなく,形状でもない. そのあいだにある,関係の秩序のようなものです.
今回の自邸では,まず断熱効率を考え,外形を正方形としました. そのうえで, ・視界の広がる南側を大きく開く ・道路(住宅街)側はしっかりと閉じる ・エントランス部分を切り欠き,雨や雪を避けられる軒下をつくる ・中心にコアとなる囲まれた空間を置き,その周囲を柔軟に使えるようにする といった操作を加えています.
これはまだ平面でも立面でもありません. 形状やレイアウトになる手前の,「建築としての方向性」を与える作業です.
わかりやすくするためにアクソメトリックで描いていますが,実際にはもっと曖昧で,頭の中にあるぼんやりとした像を,行きつ戻りつしながら少しずつ定着させていきます.
この「構成」という考え方では,
・周辺環境との関係 ・敷地の使い方の妥当性 ・求められる機能を受け止める動線や配置 ・さらに,将来の変化にも耐えうる柔軟性
といったことを同時に扱います.
構成とは,機能をうまくまとめるための技術ではなく, 建築が時間に耐えるための骨格だと,今は考えています.
この「構成」は,自邸に限らず,ほとんどのプロジェクトで無意識に使ってきた思考の枠組みでもあります.
Instagramの投稿をもとに,HP掲載にあたり一部加筆・編集しています.
文:斉藤公平
