













東西に長い敷地であったため,2階吹抜けから光を取り入れることが重要だと感じた.
建物の幅は機能的に必要十分な寸法としつつできるだけ絞り,南側を大きく開けることで,冬でも最大限の日当たりを確保している.
レイアウトの関係上,2階の床高さを抑え,階段の段数を減らす必要があった.
通常であれば1階天井を下げざるを得ない状況になるが,圧迫感を避けるために梁を現し,天井の「面」という意識を弱めることで,開放的な居場所となるよう整えた.
梁を連続して現す中で,吹抜けまわりも統一的に見せるため,手摺壁を床から浮かせる納まりを採用している.
2階から物が落下する懸念もあったが,床端部を2cmほど立ち上げ,梁と一体に見せる框を設けることで安全性と意匠性の両立を図った.
これらはいずれも新しい試みではあったが,結果として汎用性の高い,心地よい空間の骨格が得られたのではないかと思う.
施工:紺野建設株式会社 https://www.konnokensetsu.com/
撮影:永井博史 https://nagaihiroshi.com/
