Design du Koh_北海道・札幌の建築設計事務所

北海道・札幌の建築設計事務所 株式会社Design du Kohは、長年北海道で培った温熱環境の技術と経験をベースに、お客様とその土地にあった建築を提案します。

北入りの箱の家

北側道路の住宅街に建つ家である。こういった場合は主室を2Fへと持ち上げて、採光を考えることが多いのだが、基本的に1階で住みたいとのご要望であったため、南側に配した主室を吹き抜けとして光を取り入れる方針をとった。南東側が少しばかり開けており、そこから開けた空を眺めることも十分に期待できた。
将来書道教室ができるように畳の間を設けたが、主室と区切る仕掛けを作ること・玄関から主室やプライベートな場所を通らずにアクセスできること・そういった区切り方をしてもお客さんがお手洗いを使用できることを遵守してレイアウトをしている。普段は主室続きの部屋としており、子供の遊び場として機能し、家族の集まる場所と連続的に使用できるようにもなっている。
一見オーソドックスな設計でシンプルに見えるが、吹き抜け部分にはね出たヴォリュームがあったり、1階と2階がそれぞれ自由な間取りができるようにと実は構造的な工夫がされている。その工夫が表現として饒舌になると少しうるさい感じがするので、言われなければ気づかないように表現しない方針をとった。

撮影:永井博史