二人と二頭が新たな生活の場として緑豊かな別荘地のような環境を選ばれた。
冬でも木漏れ日を感じながら二頭と一緒に昼寝ができる縁側のような室内空間や、独りでゆっくり本を読みながら小雨を小窓の向こうに感じられる書斎。
これらのご要望に合うように、少しの距離感がありながら一室でいられるような距離感・密度感をいかに作るかがカギとなった。
そこで各要素を敷地の高低差に合うよう半層ずつずらして設置し、勾配屋根で一室のつながりが持てるよう覆った。
この一体感のある大きなヴォリュームをえぐり取り、その面から森に向かってガラス面を突き出すことで森との距離感を縮めるとともに、形状がシンプルなるよう工夫をした。
二頭が行動できる範囲を極力広げながら立ち入られては困る範囲を区切りやすいよう、水廻りへのアクセスを一か所にまとめていたり、キッチンや書斎も立ち入りを制限できるように考え、二人と二頭がそれぞれストレスなく気持ちよくすごせる家を目指した。
撮影:永井博史