
House
農家の変形切妻
- 用途
- 住宅
- 施工
- 紺野建設株式会社
- 撮影
- 安田 琢朗
About this architecture
お施主さんが望んだのは,切妻屋根の家だった.その輪郭をこの場所にそのまま置くのではなく,平屋を中心とする暮らし,西から雪を運ぶ冬の風,農地の先にひらける風景を重ねながら,切妻を少しずつ変形させている.



Design Story
切妻を,場所と暮らしから変形する.
切妻の向きは,当初,西に見える山並みへ向けることを考えていた.しかし,冬には西からの風が雪を運んでくる.そこで東西面は風を受ける平らな面としてガルバリウムで包み,南北面では切妻の輪郭をそのまま庇として残し,その奥を凹ませるように大きな開口と木壁を設けた.外部環境に向き合う面と,風景へひらく面を,同じ切妻の輪郭の中でつくり分けている.
生活の大半は1階で完結し,2階に必要なのは子供室と和室だけだった.必要な面積が小さいのに,切妻の形に合わせてすべてを2階までつくると,内部には余分な高さが残る.そこで2階は必要な部分だけに床を設け,それ以外は1階の壁高さまで天井を下ろした.その境界に生まれる高さをソファまわりの吹抜けとして使い,過度に大きくない,身体に近いスケールの場所をつくっている.
吹抜けは妻面の大きな開口につながり,その先にはお施主さんの農地と遠くの山並みが広がる.景色を見るための特別な場所をつくるのではなく,ソファに座るとき,キッチンに立つとき,室内を移動するときに,ふと意識が外へ向かうことを考えた.暮らし方と気候から変形した切妻が,内部の高さと開口のあり方をつくり,日常を周囲の風景へとつないでいる.











