
About this architecture
高台から港町を見おろす,大きな敷地に建つ住宅.人の視線を気にせず眺めを楽しむ場所と,ドッグランでペットと過ごす場所.性格の異なる二つの時間を,それぞれ敷地の向きに応答するヴォリュームとしてまとめた.
Design Story
眺めと庭に,それぞれ向く.
お施主さんが求めていたのは,広々とした住まいと大きなドッグランだった.ペットと一緒に過ごす時間と,自身がゆっくりくつろぐ時間には少し異なる環境が必要であり,1階と2階にはそれぞれ性格の違う居場所が配置されている.一つの大空間にすべてをまとめるのではなく,複数の部屋や場所をどのような建築の輪郭として束ねるかが設計の出発点になった.
その手がかりとしたのが,敷地の使い方と周囲への向きだった.2階は高台から港町への眺めをできるだけ多く取り込めるよう,街へ向かって横長に伸ばす.1階はドッグランで遊ぶペットを眺め,室内から庭へ素直に出入りできるよう,庭に沿って横長に配置する.それぞれの階を,そこで過ごす時間にとって自然な方向へ向けることで,内部の使い方と敷地との関係を同時に整えた.
結果として,1階と2階の二つの横長な箱は互いに直交して重なる.特徴的な外形を先につくったのではなく,眺めと庭という異なる方向へ建築を開いた結果として生まれた輪郭である.現在は1期工事を終えた段階で,これから2期,3期と手を加えながら,敷地全体とともに少しずつ完成していく計画としている.
